鶴岡市営 加 茂 水 族 館

水槽にユラユラと揺れる癒しの水族館、日本一の海月(クラゲ)でおなじみの加茂水族館のご紹介です。

加茂水族館は2005年3月22日にクラゲの展示館を増設し、この度世界一のクラゲの展示館としてリニューアルオープンします。


古の加茂湊は、酒田湊と並ぶ庄内藩の物流の重要な海の玄関口であったが、鶴岡から加茂湊に出るには小高い峠越えをしなければならなかった。江戸時代末期に山の中腹に掘られた加茂隋道は物資輸送を鶴岡と結ぶ道であっただけではなくだけでなく、加茂湊周辺は奇岩が多く散在し風光明媚な土地で絶好の磯釣場であった。庄内釣で有名な鶴岡の多くの武士たちが、徒歩で足繁く通った道でもある。近年までこの隋道が利用されていたが、国道112号線となってからは、山の下に新しくトンネルの掘削工事が行われ、この隧道は現在使われていない。

其の加茂湊の南側に小高い岩山に灯台が見えるが、ここが磯釣場として有名な加茂荒崎がある。その付け根のトンネルの右手に鶴岡市営加茂水族館がある。この水族館は昭和5年、当時の加茂町の地元有志により開設され、その後市町村合併で鶴岡市営、公社を経て現在市営加茂水族館(2002年)となったものである。



この水族館の特徴は、ありきたりの田舎の水族館ではない。そんなありきたりの水族館だったら、田舎のちっぽけな水族館であり続けていたら、とうの昔に閉館に追い込まれていたであろうと思うのは自分だけではないと考える。
実はこの田舎のちっぽけな水族館はクラゲの飼育では、なんと日本一を誇っている
のである。そのユニークさが受けて、ここ数年見学者が年を経る毎に確実に増加に転じている。

村上館長のアイデアで今夏(2004年)よりクラゲアイスなるものを研究、発売に漕ぎ付けた。これが又見学者に大受けして、大分売れたらしい。現在では12種類のクラゲアイスを販売しているとの事である。筆者も食してきたが、クラゲのコリコリ感がなんとも云えず大変美味しかった。
ついで9月よりクラゲTシャツを作成し販売しているが、これまた好評であるとの事である。これからも色々と新しいアイデァを考えて行く予定だと館長は語る。ついでに村上館長の趣味は釣で、自ら庄内釣りの継承者を自認しており鶴岡市でもかなり有名な御仁である。館内すぐ右側の事務所入り口の先に館長が釣り上げた45.5cmの大岩魚の見事な魚拓が飾られている。釣の好きな方は必見の一つである。また、事務所の応接セットの上の方に館長が矯めたと云う庄内竿数本が置かれており、声をかけると拝見出来る。

ただ、ここに到る道は険しいものであったようだ。減少を辿る観客を戻す為の方策を加茂水族館長村上龍男氏と職員の方々は色々と考え試行錯誤した結果、日本初のクラゲ(海月)を前面に押し出したユニークな水族館にすることを思いついたのだと云う。数あるクラゲの産卵、孵化から飼育は日本初の事だけに、その手間隙は並大抵のことではなかったらしい。水族館の職員と協力しクラゲの展示出来るまで、その目途が立つまでのご苦労はそれはそれは口では云い表せない大変なものであったようだ。それだけに村上館長はそんな自慢のクラゲを胸を張って、見学者を待っている。そのにこやかで人なつっこい氏の笑顔はなんとも云えず印象深いものがあるが、奥に秘めた不屈の闘志は中々のものであると感じた。

入って正面から地元の海水魚を中心にしたコーナーがある。大水槽には大きな真鯛、スズキ、サメなどが群泳している。その先から地元の魚たちの水槽が続く。地下への階段を下りていくとお勧めの癒しの空間であるクラゲのコーナーとなる。そこを道なりに進むとラッコやアザラシのショウが行われている広場に出る。る。薄暗い中にクラゲが照明に照らされて、正に癒しの空間と云えお勧めのコーナーである。階段を上がって行くと淡水魚のコーナーとなる。二階の食堂からの眺望は加茂湊を一望出来るお勧めの絶景ポイントである。

正面の大水槽 大きい鯛、スズキ等 アオリイカとアジの群泳 クロソイ
ウスメパル ツノクラゲ スナイロクラゲ
タコクラゲ ミズクラゲ エチゼンクラゲ
サカサクラゲ クラネタリュム 売店奥のクラゲアイス売り場
◆上記のクラゲの写真は水族館館長のご好意で、写真を貸していただきました。
                     ◆従って、上記のクラゲの写真は、すべて水族館に属しております。
開館時間 午前8時30分〜午後5時00分  休館日 無し
入 館 料 大人800円、小中学生400円、幼児150円
所 在 地 山形県鶴岡市大字今泉字大久保656番地
電  話 0235-33-3036